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入れ歯治療

入れ歯じゃ噛めない?

インプラントVS 入れ歯

近年、ネット上で数多く出ているトピックスとしては、インプラントが中心になっています。入れ歯に関するものはそれよりも少ないのが現状です。また、入れ歯がテーマの一つとしてとりあげられていても、総合的な見地に立ったものは少なく、テクニック的なものが多いようです。私見ではありますが、総合診断に基づいたうえで、入れ歯を使った臨床ケースをネット上でもっと見てみたいと思います。たとえば、

写真:インプラントVS 入れ歯

インプラントではなく入れ歯のほうが有効だと判断した症例です。74歳という年齢、右上の奥歯がどこまで持つか分からない、骨造成が必要、といった理由から義歯を選びました。

日本における日常臨床では、まだまだ多数歯欠損のケースがたくさんあります。欠損補綴の大きな目的は、欠損スペースを補綴物によって復元し、機能の回復と審美性の改善を図ることです。それともう一つ、忘れてならないのが残存歯をはじめ、残存組織の維持・安定を図ることです。しかしながら、日常われわれのところに訪れる患者の口腔内を診ると、特に入れ歯が装着されているケースでは、残存歯そのものの状態も良好ではなく、入れ歯によっての二次固定の効果もほとんどありません。逆に残存歯に対し、力学的に大きな付加がかかってしまっているものがたくさんあります。たとえば、

写真:インプラントVS 入れ歯

左上の入れ歯は食事中に外れてきますが、右の入れ歯は外れません。それは、左の入れ歯のバネは細い針金で引っかかりがなく、バネの数も少ないからです。また、残りの歯は動いています。このふたつの入れ歯を、同じ入れ歯として扱っていいでしょうか。

これから老人が多くなってくる時代を迎え、われわれ歯科医や歯科技工士が入れ歯に背を向けていては、無歯顎の老人がどんどん増えて来ることを懸念せざるを得ません。私は、決してインプラント治療を否定しているのではなく、入れ歯に対する知識を身につければ、欠損歯列への診断力や予後に対する予知能力も培われると思っています。

私自身、トップデンチャリストの奥森健史氏(奈良市)と一緒に仕事をしていますが、ほとんどのケースで予後は良好です。

写真:インプラントVS 入れ歯

入れ歯は決して時代遅れではありません。咬合再構成の最たるものが総義歯です。 『Top Down Treatment』という考えはすでに総義歯においては昔から存在しています。人工歯の排列位置を元の天然歯の位置を基準にしたデンチャースペースから決定していたのです。

このことはインプラント治療においてインプラント埋入位置の決定と相通じるところです。

写真:インプラントVS 入れ歯